モバイル旅行にでかけた
雨は雪にかわるのか。
PC110という携帯コンピューターを買い、モバイルができるようになったので、旅にでることにした。
ことの起こりはこうだ。夜中に友人とワインをきこしめしているうちに温泉だという話になった。ふつうならパンフレットがないとか、本で調べようということになり、翌日になれば、きれいさっぱり忘れているというのはよくある。
ところがいまはインターネットがあるのだ。「温泉、温泉、温泉」とわめきつつインターネットをうろつく。しばらくして「うめや」という旅館のホームページを発見。フロント、風呂、部屋などが見られるようになっていて、見ているうちに、もう行った気分。とどめに米沢牛のすき焼き写真を見て、もーいくけんねとメールを送りつけた。それも明日泊まるという内容だ。ダメならあきらめようということだったが、OKということで翌日には出発というのだから、インターネットおそるべしだ。
その出発の朝から雨なのだ。なんでも発達中の低気圧が3つもやってきていて、日本上空で待ち合わせをして大暴れをしてやろうというのだからたまらない。
行こうとしている山形県の小野川温泉は雪だという。それも風雪強しとのことだ。
無事にたどりつけるのか、この旅はカーナビゲーションにまかせることにした。目的地を設定。ふてくされた女声でナビゲーションがはじまる。
おいおい、のっけからどこへ連れていこうというのだ。温泉とは反対方向へナビされる。練馬へ連れていかれ、東京外環道で東北道へというコースらしい。最初からいえつーの!
東北道は予想に反し晴天だ。どこが雪やねんといってると那須をこえたところで雪となった。しかし、そんなことにはおかまいもなく皆ブイブイ飛ばしていく。雪で80キロ制限になっているが、その速度で走っていればどんどんと抜かれていく。どうなっておるのだ。
こうして雪で動けなくなることもなく米沢へ着いてしまった。朝8時半に出発し、午後1時には着いてしまったから4時間半の行程だ。もっともオレには車に乗ると1時間おきにオシッコがしたくなるというくせがあるので、サービスエリア各駅停車の結果だ。オシッコががまんできる人ならもっと早く着けるだろう。
こんな性格だから、ラリーのナビゲーターなどはできそうもない。パリダカの篠塚選手の映像をテレビでみたが、ナビのひげのおっさんがが「トイレしたい」といったのに対して「ホントか? ホントにしたいのか」と問いつづけ、とうとうあきらめさせてしまった。時間が勝負の世界だから、その気持もわかるが、あのおっさん、もらしてないか人ごとながら心配になってしまう。
こちらは有無をいわさず「トイレ」だ。ダメといわれようなら、ここでする、もらしてしまうといいつづけ、むりやりトイレ休憩だ。だから、おまえと旅をすると時間がかかってしょうがないといわれている。
そんなことはどうでもいい。米沢市内だ。まずはソバを食う。日曜の昼間とあって泣き叫ぶガキ、おばさんの団体のなかで食う。盛りが東京の二人前ぐらいあった。つゆはカツオだしのきいたもので甘味も少なく、硬派なものだった。いっしょにでてきた漬物もうまかったぞ。
市内で観光するものといったら上杉神社ぐらいしかない。ここは上杉謙信ゆかりの土地だったのだ。雪道をすべりながらたどりついた。なにかがあるわけではないが、一応拝んでおく。ほかにすることはない。
そのあとはお約束の酒蔵見学だ。利き酒をして、全部の酒の味をみてみる。申し訳ないので、いちばん安いやつを2本買う。これはケチなのではなく、それがいちばんうまかったからなのだ。
これで温泉へむかうことになったのだが、時間はまだ午後3時。着くには早いとなった。ならば、おやつということになり、ステーキを食うことにした(笑)。
おやつにステーキとは馬鹿ものの極みである。しかしまぁ、食うと決めたのだ。ナビの声はルートをはずれているよといいつづけているが、かまわずにねずみの学習テストのような路地をぬけ牛肉屋へ。ここの二階でステーキを食わしてくれるのだ。営業時間が夜の7時までというのは東京では考えられない。
飯と汁はいらんからステーキだけをくれという。特選のヒレを食べたのだが、やわらかくうまい肉だった。これがりんごを食って育つという米沢牛かと思うとりんごの甘味を感じるから不思議だ。
ステーキを食い温泉につく。まずは浴衣をきて温泉だ。これは定番。
温泉は硫黄分のあるたいへん熱いものだった。なんでも源泉は70度ちかくあるらしい。それを温泉成分が薄まらないように熱交換機を使って、暖房などの熱源としたのちに、温度のさがったお湯を風呂へいれているとのことだ。ここらへんパンフの受け売り。
温泉からでてビール、これも定番。さてとモバイルしようとPHSをとりだすと電波が届いてない。やはり無理だったかと思うがあきらめきれずに、PHSを手持ちで部屋のあちこちへ動かす。まるでガイガーカウンター状態だ。しかし、どこへ動かしても電波は受信できない。こうしてモバイル計画はあっという間に挫折してしまった。
夕食にすき焼きを食べ、あと、できることといえば酒を飲むことだけだ。こうしてモバイルツァーはただの酒飲みツァーとなってしまったのである。
これじゃ、いつもの旅と変わらないではないか。
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