37年前の自転車の乗車位置調整
最近、ポジションという言葉をよく聞くが、自転車において疲れにくい乗車姿勢というのはあるのだろうか?
1969年発行の「最新サイクリング百科」(鳥山新一著・集英社刊)によれば、三点調整法で自転車のサドルやハンドル位置を調整するのがいいという。
最新サイクリング百科 鳥山新一・集英社 1969
当時、小学生だったオレは、それを忠実に守って調整をした。そして、37年が経過した今も、その調整法で位置あわせをしている。この37年の間に新しい調整法ができたかどうかは知らないが、その三点調整法について説明しておこう。
■サドルの高さと前後の位置
1 ペダルをいちばん下にしたときに、靴のかかとをのせて膝が軽くのびるぐらいにサドルの高さを調整する。
2 すると、つまさきをのせたときに膝が軽く曲がるようになる。
3 サドルの前後の位置は、ペダルを斜め前にしたときに、膝の関節から垂らしたヒモがペダルシャフトの中心を通るように調整する。
■サドル高とハンドルグリップ高の関係
ドロップハンドルの場合は、サドル上面とハンドルバー上部の高さを水平になるように調整する。
フラットハンドルの場合には、サドル上面よりハンドルグリップを5センチ高くする。
■グリップ位置
上記の調整をした自転車で、AからBまでの距離が、BからCの距離に比べて約3センチ短くなるようにする。
これがいにしえの三点調整法である。現在ではどう思われるかわからないが、まぁ、くたびれないことはくたびれないし、背中も痛くならない。
ハンドルをサドル上面より下げて乗っていたら、背中が痛くなり、ぎっくり腰になりそうになった。
昔の人の言うことは聞いておくべきものである。
あと、ペダルを踏む位置は足の親指の付け根付近である。土踏まずやかかとではないので注意しよう。
土踏まずでこいで、ガニマタ乗りというのをママチャリのおっちゃんはよくやっているけどね。
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コメント
ぼくもほぼこのまんまの方法かな。
3だけは、膝の関節ではなく、「膝の前端から重り付きの紐を吊るして」で合わせてます。だって、関節の中心からは紐を吊るせないですから(^^;)
サドルからハンドルまでの距離は少し違って、肩、手、尻が正三角形になるように、って覚えました。
この方式は世代や(手足の長さが世代間で違うでしょうから)人種によって通用しなくなる場合があるわけですよね。ン
投稿: NaoKatoh | 2006.06.06 00:55
○NaoKatoh さん
NaoKatohも同じようにしてましたか。
>だって、関節の中心からは紐を吊るせないですから
一生懸命、膝横に手でヒモを押さえてました(笑)。
最近はどうなんでしょうか? 昔の常識ではしてはいけなかったダンシングなんかもしてますし。これはその方がタイムがいいという実績からでしょうね。
晴天無帽ソックスは、ヘルメット着用が望ましいとなってますし、変わってきているわけですね。
普遍的なポジションがあるかはわかりませんが、後で少しずつ変更する踏み台としてもこんな三点調整法を知っておくのは意義があるかなと思ってます。
今まで説明用の写真撮るのが面倒だったんですが、買ってきた「六角大王Super5」に素材が揃っていたもので解説してみました(笑)。
投稿: 米田裕 | 2006.06.06 01:29
初めまして茶太郎と言います。
僕も先日ポジションを調整してみました^^
膝とペダルシャフトからサドルの前後位置を調整して、ずいぶんサドルを前に出したんですが良く考えると単に足が短くてクランクが長すぎたのかな?w
投稿: 茶太郎 | 2006.06.06 22:33
○茶太郎 さん
初めまして。クランクの長さに関しては「おのひろき」さんのところに「クランクの長さをチェックしよう!」というページがあります。
http://onohiroki.cycling.jp/bike-check-crank.html
股下の長さに対して最適のクランク長の一覧表がありますよ。
投稿: 米田裕 | 2006.06.06 23:48
イラストのロードの人、骨盤が寝ているから、いま主流の技術だと悪い見本になりますね。
投稿: 高千穂遙 | 2006.06.07 22:23
> 骨盤が寝ているから、いま主流の技術だと悪い見本
37年前の乗車位置の調整法と骨盤の関係はどうなのかよくわかりませんが、現在は(腰下の調整が終わった状態において)腕を背筋に対して90°に伸ばした位置にハンドルバーがくると良いとかよく言われているようです。で、エキスパートになると90°より少し広くなるんだとか。
私もこの方法で調節しているつもりなんですが、意識して乗っていても気が付くと背筋が伸びて骨盤が寝てしまっています。尿道によく痺れを感じるのはそのせいなんだと思いますが、どうもこればっかりは体の柔らかさと関係があるようで...(笑)
投稿: Danjun | 2006.06.09 07:42
○高千穂 さん
○Danjun さん
すると猫背で乗ればいいのかな? おいらは猫背なので、最新テクニックを実践中?(笑)。
投稿: 米田裕 | 2006.06.10 19:46
猫背というか、↓こんな姿勢。
http://blog.nettribe.org/user_images/06/58/f24be945ceba1508c2613853e8d7bbe7.jpg
ランス・アームストロングのフォームはお手本と呼ばれるほどにきれいとされているので、参考になると思う。
でも、腹筋と背筋が弱いと、こういうフォームは取れないんだけどね。
投稿: tosh | 2006.06.12 03:50
○tosh さん
ハンドルグリップとサドルも近いのかな? 筋肉鍛えてないとむずかしそうな姿勢ですな。
リカンベントなら関係ない?
投稿: 米田裕 | 2006.06.14 00:39
リカに乗るコツは、しっかりシートによっかかることですね。最初はなんとなく怖いので、背中を離して普通に座って乗るんですけど、それだとうまくバランスが取れません。そういう意味で、正しい姿勢でしか乗れないので楽かも、っていうか実際楽ですね。ワタシは腰が弱いので、普段はリカばかり乗ってます。
投稿: tosh | 2006.06.14 00:48
栂池で山に登ってきたので、RESが遅れました。(^^;
猫背は肩胛骨より上が前に倒れているからだめです。骨盤を立ててサドルに乗り、肩胛骨の下、腹部でいうとみぞおちのやや上あたりで上体を折ると、当該姿勢になります。このとき、背中にこぶのような盛りあがりができるのが理想なんだって。
栂池にきていた実業団のトップ選手、野寺さんとか土井さんとか、田代さんとか鈴木真理さんとかは、もうこの姿勢が完全にとれていますね。いろいろ参考になりました。
ハンドルとサドルの距離はけっこう遠く設定されています。今中さんが書かれているように、選手は大きく乗るんです。でも、いまコラムは高めに設定するのが主流です。選手でも3センチくらいあげているのはふつうですね。ステム高プラス4センチくらいでコラムを切って上に1~2センチ飛びださせて使い、レースによってハンドルの高さを調整しているようです。知らない人が見たら、初心者のバイクと思ってしまうかも。(^^;
投稿: 高千穂遙 | 2006.06.14 12:32
この鈴木真理選手の写真を見ると、上体をどこで折り曲げているか、よくわかるんじゃないかな。栂池でヒルクライム中の写真です。
http://www.cyclingtime.com/modules/myalbum/photo.php?lid=26672
投稿: 高千穂遙 | 2006.06.14 15:59